メンタルヘルスとは文字通り訳せば「心の健康」という意味。世界保健機関（WHO）では「自身の可能性を認識し、日常のストレスに対処でき、生産的かつ有益な仕事ができ、さらに自分が所属するコミュニティに貢献できる健康な状態」と定義されています。
日本メンタルヘルスケアサポート協会では、メンタルへルスの意味を分かりやすくするために「メンタルヘルスケア」とし、「心の健康管理」とお伝えしております。
仕事であればやる気や充実感を保ち続けるために、どのように心の管理をしていくのか。
私生活であれば、幸福感や笑顔で日々を送り続けるためにどう心の管理をしていくのか、ということです。
身体と同じようにメンタルも健康不調をきたすと、思ったパフォーマンスを発揮できないどころか、悪化した場合病気にかかり、自身の将来や自殺など命の危険にさらされることさえあります。
ただ、だから心の健康を管理しましょうというよりは、日本メンタルヘルスケアサポート協会では、本来望む気持ちでいるために不調を感じたらケアする方法を身に付けておき、元気な心を管理できるようにしましょう、に重点を置いています。

ストレスが多い環境は、企業にとって大きなリスクを抱えることになります。
ストレスに耐えることができなくなって休職による人材の損失や、ストレス症状による生産性低下、休職、退職者が増える、
またその中で残された社員の負担増による過重労働、企業イメージの悪化、昨今訴訟問題にも発展する例もあり、メンタルヘルスは企業成長の面からも無視できない経営課題となっているは明らかです。

ヘルスケアとは、本来健康の維持、増進のために行う行為であり、治療が必要な病気に至らないためのノウハウです。
メンタル不調になられた多くの方が「まさか私がなるとは思わなかった」「あんな明るい元気な人がなるとは思わなかった」と仰られます。私どもも多く目にしてきました。

この点をふまえ、日本メンタルヘルスケアサポート協会では、メンタルヘルスをあくまで健康管理の一環と捉え、「健康を保ち続ける心作りのための行為」とメンタルヘルスを位置付けています。

働き方が多様化する中、必ず生じるストレスとうまく付き合っていくことが求められます。
ストレスとうまく付き合うメンタルヘルスケア力を身に付けた状態では、ストレス環境でも適応できるようになり、 仕事に対してもストレスに左右されることなく、自分の能力を発揮する体制を整えることができます。

体が健康であることが病気にならないというメリットだけでなく、その人のQOL（生活の質）を向上し、仕事や活動のパフォーマンスを上げるように、心の仕組みやストレスの仕組みを知り、メンタルのパフォーマンスを向上する力はどの面でもその人を助けてくれる基礎的な力です。

どんな不調も放っておくと悪化しますし、病気になってからでは回復に時間がかかります。 だからこそ日頃から健康な心作り、また初期の不調段階でメンタルケアをすることが、最も大切な健康を保つ秘訣なのです。
企業にとってメンタルヘルス対策の目的は、上記に挙げられた「リスク回避」と「生産性の向上」。
社員がどのようなストレスでもうまく対応できるようになると、効率の向上につながり、利益にも直結します。
そのためにも対策は必須で、職場内ストレスを最小にすることが企業の発展のためにも重要なことなのです。

＊＊＊読売新聞の「心身の不調は早めに相談」の取材に日本メンタルヘルスケアサポート協会代表理事　奥江　裕理が回答した時の内容＊＊＊

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