頑張れは、なぜ禁句? (18/06/01)
先日東京でメンタルヘルスケア研修を行いました。この研修では、主にラインケア法についてお伝えします。
ラインケアは主に2つに分かれます。
1つは、メンタルヘルス不調から心の病気にかからせないための「未然予防法」
2つ目は、休職から職場復帰した方が、再度休職をさせないための「再発防止法」
どちらもがとても大切です。
その研修の中でこんな質問がありました。
「先生、頑張れっていてはいけないと聞くのですが、でもこれって本当に職場では、使わない方が良いんですか?」
メンタルヘルスに関する様々な研修も、「頑張れと言ってはいけません。禁句です」と伝えられます。
また様々なホームページで「がんばれは禁句」と書かれています。
ただどんな人にも、「がんばれ」は禁句なのでしょうか?
ずばり、言っていいんです。
ただ言ってはいけない種類の人がいるということ。それにはある基準があると協会では考えます。
①周りからどう見ても「最近おかしい」と思える行動が出てきた人
②努力することを回避しているように見える人
企業に勤めている以上、会社のために頑張るのは当たり前であり、それを期待しているからこそ、会社は「ありがとう」代として「給料」を支払いますよね。
もっと言えばその会社で頑張るために、その会社にその人も入社しているはずです。
頑張らないために入社する人は、まずいないのではないでしょうか。
頑張るのは当然のこと。
なので意欲があり、生き生きとして仕事を楽しんでいる人には、非常に有効です。
ただ2つの種類には要注意。
①の場合、期待に答えるために、頑張って頑張って頑張り続けた結果、頑張るエネルギーが底をつき、でも頑張り続ける人です。
この人はガス欠寸前の状態。
こうなると、身体や態度に変化が見られるようになります。
昼間に意識がもうろうとしている。ミスが増えるなどなど。
このような方に頑張れというと、「まだ認められていない」と自動思考が働き、「もっと頑張らなければ」と思い、ガス欠なのにメーターが振り切れる運転をします。
とうとうエンストを起こし、止まる。本人がどんだけ頑張ってアクセルを踏んでも進まない。
「もうだめだ。」と自己否定を起こし、自殺する可能性もある。
こんな「最近おかしい」と思う方には、頑張れは禁句です。
続いて②の場合。
つい「なんでもっと努力しないんだ!」「自分から動け。」と、こちらがイラついた経験がありませんか?そしてそう感じる人がいるかもしれません。
ただこのように感じる人には、「もっと頑張れよ!」は、実は効き目がない。
何故かというと、「頑張り方が分からない」のです。
この人には、今どこで戸惑っているか、何に躊躇しているのか、どこで不安を感じるかなど、しっかりと聴き出すことが大事。
その状態を考えた上で、最良の進み方をを教えてあげるのです。
管理職の方で、めんどくさいという方がいますが、だから給料が高いとご理解ください。部下への指導代も給料に含まれています。
また①の人には、「無理するな。」も場合によっては禁句の時もあります。
本人に無理をしている自覚がない場合が、多いからです。
その一言で「結局認めてもらっていない。」「もうだめなんだ」と解釈し、余計心を壊すことも多いのです。
①の場合には、常に「最近疲れが見えるけど、辛い事があったらいつでも相談にのるから、なんでも言ってね。」
と開かれた態度をとること。やってきた経緯をしっかり認める声をかけること。
すぐに相談する場を設け、聴くに徹し、一緒にどうしたらいいかを考えること。
①②に共通していえるのは、頑張れの前に、頑張れていないのはなぜなのかを、検討する必要があります。
では、①の発見ポイントは?
その聴き方と、答えの導き方とは?
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